漢方医学は、西洋医学とは別の視点から、疾患を「気血水」の異常ととらえ、「生薬」を使って治していく治療です。ですから、治療診断・方法も西洋医学とは異なることになります。よく、漢方は慢性疾患にしか効かないと誤解されていますが、急性期にも有効です。風邪、気管支炎にしても、西洋医学では全てを補いきれていません。
明治維新後、漢方治療は西洋医学の陰にすっかり埋没していましたが、最近は見直されているだけでなく、実際に有効であることが確認されてきています。
風邪疾患、インフルエンザ、気管支炎、喘息などの呼吸器疾患、胃もたれ、便秘症、機能性胃腸障害などの消化器疾患だけでなく、高血圧にも漢方の併用が有効のことがあります。ほか、花粉症、皮膚疾患などのアレルギー、頻尿、慢性膀胱炎などの泌尿器疾患、更年期や月経困難症などの婦人科疾患、心の病気などにも、積極的に診断治療することが望まれます。
現代は、病気の治療は、西洋医学と漢方医学の両者の併用で行うことが最適と考えます。どちらかを拒否することなく、両者を柔軟に併用しながら診断治療することが大切です。
そしてさらに、食事生活習慣を改善させることも重要であることを付け加えておきます。