2024/11/10
長引く咳の診断では、症状経過に加えて呼吸機能検査が必須です。
咳の長期化で、胸部レントゲン撮影で異常がないから、問題がないとは言えません。
長引く咳では、感染後咳喘息、軽症喘息が多い傾向にあります。
咳喘息は、軽症喘息の「亜型」です。喘鳴や呼吸困難を伴わない慢性咳嗽が主症状で、呼吸機能検査では正常か軽度の低下のみですが、気道過敏性が亢進しているため、気管支拡張剤と吸入ステロイド薬が必要になり、治療としては、喘息と同様になります。
典型的喘息では、呼吸機能検査で低下がみられます。また、呼気NOガス濃度分析という、「好酸球炎症」を反映する検査で高値を示すことがあります。
長引く咳には、ほかにアトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群、逆流性食道炎などがあり、綿密な問診の聞き取りが重要になってきます。また、単独あるいは上記の疾患に合併する、心因性咳嗽も、意外に多い症状です。
このように、長引く咳の診断は胸部レントゲンだけでは不十分で、また単純に咳止めを飲めば治るというわけではない、奥深い疾患です。
3週間以上長引く咳は「遷延性咳嗽」、8週間以上長引く咳は「慢性咳嗽」と定義されています。